コラムColumn
- O脚のしくみとボーンリズム
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- 2013/10/16
- からだのしくみ
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こんにちは、稲田です。
以前に骨盤のテーマで書いた記事について、読者の方からご質問をいただきました。
隣り合った骨と骨の関節では、かならずカウンターローテーションの動き、(たとえば一方が右に回転すれば他方は左に回転する)があるなら、骨盤が前傾したらどうして大腿骨が内旋するのですか?
大腿骨と脛骨も隣り合っているので、どちらも内旋していくのはおかしくないですか?
というご質問でした。
なるほど、そうなんですよね。
ここは前記のブログの最後にも書いてあるのですが、ちょっとややこしいところなんです。
すこし細かくみてみましょう。
腸骨の関節窩と大腿骨頭は、ボールとソケットの関係にありますね。
骨盤が前傾すると、股関節の内部では、ソケットが前へボールが後ろへ回転します。
これがカウンターローテーションです。
ただし、大腿骨全体としての動きは内旋方向に転位するんです。
見た目の骨の動きと関節内でおこっている動きは違う場合があるわけです。
大腿脛骨関節では、大腿骨が内旋すれば、脛骨は外旋しカウンターローテーションがおこっています。
ただし、足が固定されたクローズチェーンの場合、骨盤の前傾とともに起こる見かけの骨の動きは、大腿骨も脛骨も内旋方向に動くんですね。
これがどのくらいの割合で起こるかは、個人差があります。
関節のあそびがどれくらいか、関節内外の組織の抵抗がどの程度あるか、筋・筋膜の緊張抵抗がどの程度あるかによっても変わります。
関節のあそびが少なく、組織の抵抗が大きいほど、大腿骨の内旋の動きに引っぱられて、早い段階で脛骨も内旋方向に動かされるわけです。
下肢のボーンリズムを体現するためのオーソドックスなポジションは、両脚を肩幅くらいに広げ、つま先はやや外向き、背骨と骨盤はまっすぐに立てた状態で、脚の屈曲伸展を行います。
このときには、関節内のカウンターローテーションと見かけの骨の運動が一致しているので最初にボーンリズムを学ぶにはここから始めるといいですね。
人間は自分の意志で、ボーンリズムに反した動きも作れるし(ダンスなんかそうですね)外から見える動きと、内部にあって見えない動きとが一致しないこともあるんです。
このあたりのお話は最初はちょっと理解しにくいかもしれませんね。
O脚に関して少し話をすると、大腿骨のデザインというのは骨幹部があり、骨頭に向かって角度が付き(頚体角)、大腿骨顆部と頚部の間で捻れがあり(前捻角)いくつかの異なった回転軸をもっています。
若い女性によくみられる、膝のお皿が内向きになるようなO脚の方は、大腿骨頭と大転子を結んだ頚部軸を中心に内旋転位するので、両膝がつかなくなるんですね。