コラムColumn
- 触って感じることと脳の記憶の関係について
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- 2015/02/20
- 見立てのスキル
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こんにちは、稲田です。
先日の感じてわかるからだのしくみ講座では、筋肉の動きと触察のしかたを体感を通して学び合いました。
施術をする上での「触察」というのは、
皮ふの上から骨の指標や筋肉の走行する線維や
起始・停止を手の感覚でしっかりとキャッチできる技術のことなんですね。そこで、今日はこの「触ってわかる」ということに関連したお話をしようと思います。
「最近なんか記憶力が落ちて物忘れしやすくなったなー」なんて感じたことはありませんか?
僕はちょくちょくあります。(^o^;)
これって、歳だから脳の記憶力が低下してきたんじゃないのって思いますか?
いえいえ、「歳を取ったから物忘れする」というのは、認知症のような疾患を別として脳科学的には間違いなんですよー。
理由はシンプルで、
年齢を重ねていくほど、脳みその中に知識・情報がいっぱいたまっていきます。
その膨大な情報の中から、一つの知識を選び出すのに時間がかかるということらしいです。
記憶がなくなったわけではないので、誰かに言ってもらうと「ああ、それよそれ!」って思い出しますよね。
子どもは単純にまだ脳内の情報量が大人より少ないので、検索結果が早く出てくるというしくみです。
一般に10才くらいまでの子供の脳は、ケースバイケースというような条件づけの状況を理解するのが苦手です。
10才以降になると徐々に左脳が優位になっていきますが、まだ丸暗記力の方がすぐれて高いんですね。
14歳からは、今度は丸暗記がしにくくなっていきます。
単純なもの、意味のないものは覚えにくくなり、そのかわり推測したり、あいまいな概念の理解ができるようなより複雑な働きが可能になっていきます。
ちょっと話がそれますが、百舌鳥(もず)っていう鳥がいるでしょ。
このもずですが、取ってきた餌の虫なんかを木の枝の一部に串刺しにしておいて置く「はやにえ」という行動をすることで知られていますね。
そして、これがおもしろいんですが、もずの記憶ってデジタルカメラの写真で撮ったように寸分違わずに記憶できてしまうんそうです。
ところが、この木の枝にあった葉っぱがもし風で飛ばされてなくなったら、もずは、もはやその記憶していた餌の場所を違う所だと認識してしまうんです。
もしも人間がもずのような記憶のしくみを持っていたら生活がなりたちませんね。
話がそれてしまいましたが、
要は大人になったら単純な丸暗記の記憶の仕方は脳科学的にいっても効率が悪いんですね。
このコラムを読んでいただいているあなたは、
おそらく30以上、いや40代、いやいや50以上かもしれませんね。「歳やからなかなか憶えられへんねん!」って、つい愚痴ってしまいがちですが、
大丈夫、安心してください!
大人の場合、見て憶えるのはいまいちでも、手を使って絵に描いたり手や体を使って実際に動かしてみることで、記憶力が低下しないという実験結果が出ていますよ!
大人がが子どもの記憶と違う有利な点は
経験を下敷きにして
その経験を駆使してあるものとあるものを結びつける力があるからです。
カナダの脳神経外科医のペンフィールドは、大脳皮質のどこで体のどこを司っているかを明らかにしたホムンクルス図を発表しました。
それによると、手と口に関係した神経細胞が最も多いんですね。
手の感覚が脳を刺激し、口を動かすこと(言葉にするということも含め)も脳を大いに刺激するんですね。
そうすることで、イメージと体感覚や触覚がリンクして記憶に残りやすいんじゃないでしょうか。
30歳くらいまでは、どんどん新しいものを吸収しようとします。
30歳以降は今あるものと、別のものを結びつける能力が高くなります。
当然ですが、脳もただ歳をとるだけだと徐々にパフォーマンスは低下していきますね。
何も新しい情報を入れないでおくと、もーどんどん低下していきます。
ですが、常に新しい情報を定期的に入れていき、
ワクワクしたり、ドキドキしたり好奇心に満ちて人生を楽しむことができれば、
40代でも50代でも60代になっても
脳のパフォーマンスは落ちないそうですよ〜〜(^O^)/
こらぁ〜、えさドロボー
あれこいつ、もずじゃねぇじゃん