コラム

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もうひとつの呼吸のしくみとは?
  • 2016/05/04
  • からだのしくみ

呼吸にも種類がある!?

呼吸といえば、どこが動き、どんなしくみがあるのかということはもうおわかりですね。

ヒトの場合は肺呼吸です。

肺の拡張・収縮で体内と体外のガス交換が行われます。

その際、横隔膜や胸郭の骨と呼吸筋がしっかり動くことで呼吸できるのですね。

この肺呼吸のことを、「2次呼吸」と呼ぶことがあります。

2次呼吸?

呼吸ってそんなにいくつも種類があるの?

そうなんです。

実は、肺呼吸とは出産によってこの世に生れ出て、そして死を迎えるまでのあいだの呼吸のことをいうのです。

ではそれ以外の呼吸のこととは何かというと。。。

1次呼吸は生命発生とともにはじまる

ヒトが受精した卵から生命が発生し、4〜5週くらいで前頭骨の隆起が確認されます。

つまり、脳と脊髄神経の形ができ始めるのです。

頭蓋骨や背骨はまだ未発達ですが、脳脊髄液の流れが起こっているといわれています。

この母親の胎内にいるときから始まる脳脊髄液の流れ、そして脳と脊髄を包んでいる硬膜の動くリズムのことを「1次呼吸」と呼びます。

オステオパシーの大家によると、「生命の発生とともに1次呼吸は始まる」そうですよ。

1次呼吸メカニズム(Primary Respiratory Mechanism)は、硬膜が波のように動くことで脳脊髄液が流れ、循環するしくみのことを指します。

硬膜については、あらためて書いてみたいと思いますが、この硬膜を介して頭蓋骨と仙骨が相互に引きあいながら張力がはたらいて脳脊髄液が循環します。

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脳脊髄液って何?

ところで、さっきから脳脊髄液って言ってますが、一体どんなものでしょうか?

CSF(Cerebro Spinal Fluid)と略されることが多いですね。

99%が水の無色透明の液体です。

側脳室脈絡叢と第三脳室・第四脳室で生成され、1日400〜600ml分泌されます。

1日に3〜4回全量が入れ替わり、くも膜下腔を満たしているのは90〜150mlです。

肺呼吸である2次呼吸が、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素と老廃物を体外に排出するように、1次呼吸のCSFが神経に栄養をあたえ、老廃物を取り去る新陳代謝を行っているのです。

いわば命の液体ですね。

この1次呼吸を正しくはたらかせるために、頭蓋骨の動きを調整することが治療になるのですね。

1次呼吸と2次呼吸(肺呼吸)の違い、おわかりになったでしょうか?

知ってしまえばなーんだ、ですよね。

でも知ってるだけではあんまり意味がないのが、1次呼吸かもしれません。

次回は硬膜のしくみについてみていきましょう。

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