コラムColumn
- 人間とチンパンジーの根本的な違いかも
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- 2015/09/03
- コラム
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イメージを使って創造する力というのは、人間以外の動物にもあるのでしょうか?
人間、ヒトに一番近い動物としてチンパンジーがいますね。
ヒトとチンパンジーは約500年前に共通の先祖から分かれたといわれています。
どれくらいの違いがあるのかというと、ゲノム解析、つまりDNAの遺伝子情報の分析では、わずかに1.2%程度しか違わないそうです。
チンパンジーの赤ちゃんはヒトの赤ちゃんと同じように、顔を見て微笑むことが知られています。
また、人間の言葉は理解できませんが、チンパンジー語があるという研究者の調査も報告されていますね。
では、チンパンジーも僕たち人間のように想像力を使って物事を認識したり、世界を創造したりすることができるのでしょうか?
これだけ、ヒトに近いんだからきっと、何かイメージして認知したり行動したりしてそうですよね。
そんなことを思っていたら、2014年10月28日付けの読売新聞に次のような記事が載っていました。
チンパンジー想像で描けず
京大霊長類研究所など「人類の進化を知る手がかりに」
記事の内容を抜粋すると・・
チンパンジーは想像して絵を描くことができないといする研究結果を、京大霊長類研究所と中部学院大学の研究グループが発表した。
チンパンジーに画材を与えると、抽象画のような絵を描くことが知られている。
霊長研のチンパンジー6頭(言語実験で高い能力を示す)と人間の1歳〜3歳の子供57人に、チンパンジーの目を片方だけにするなどした絵とペンを与え、残りの部分を補うかどうかを調べた。
その結果は・・・
人間の子供では2歳6か月以上の子では8割以上が成功。
輪郭だけの絵でも、目・鼻・口まで描ける子がいました。
それに対して、チンパンジーは6頭とも輪郭をなぞる程度しかできなかったんです。
チンパンジーの研究では有名な京大霊長類研究所の松沢哲郎教授は、
目に見えていないものを思い浮かべて絵にする能力は、人間に特有なものかも知れない
といったコメントをしていますね。
今回の研究論文だけで、すべてを決めることはできませんが、人間の人間たる所以が証明できたひとつの例ですね。
たぶん人間の脳のしくみと何か関係しているんじゃないかなぁ。
人間はイメージを駆使することができます。
そして、イメージを使って現実に変化を起こすことができるんですね。
身体に対するより良い変化も、こころに対するより良い変化も、どのような現実をイメージするかで自由に創造できる存在なんですね。
おそらく、この僕らが住んでいる世界や宇宙だって、本来はもっとより良いものに、自分自身が創っていけるのかも知れませんね。
そういう意味では、これまでの進化の考え方も、単純に直線的な系統進化ではない何かがあるのかも知れません。
うーん、まだまだ人間って不思議〜っ!
ありゃー、にんげんのこどもにまけるとはな〜