コラムColumn
- イメージを使って相手を変化させられるのか
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- 2015/08/18
- からだとこころ
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こんにちは、稲田です。
自分の身体をイメージを使って変化させること
ピラティスやヨガを実践されている方なら、
イメージを使うことが動きを作る助けになることはなんとなくおわかりですね。このイメージの使い方をより洗練し、体系化しているのがフランクリンメソッドでした。
いったいなぜイメージが有効なのか、なぜ動きに変化が起こるのでしょう。
それは簡単にいうと、
自分自身の脳神経系にはたらきかけることで、
脳が実際に起こっていることなんだと認知するからなんです。つまり、私たちがイメージしたことは、脳にとってはすべて現実なんですね。
そして、自分が現実だと思っている世界とは、客観的に誰が見ても同じであるとは限りません。
というか、100%同じではありえないんです。
見ている位置、角度、意識のあり方は言うまでもなく、すべての人で違うわけです。
このあたりの話しは、またテーマを改めて深堀したいところですね。
脳が認識している現実とは
私たちの身体は、骨格と筋肉・筋膜と血管と神経などの、実際に解剖学的に存在している組織や器官でできています。
けれども一方で、流れる水のように、硬い石のように、軽い空気のようにイメージした身体にもなれます。
第三者が外から見たら何にも変わっていなくても、
本人の脳の中では、そうなっているんです。それだけでなく、小さな小さなミクロ決死隊のような大きさになることもできれば、
地球や太陽系さらには大宇宙の大きさにだってイメージでなれるんですね。このような話を、患者さんにするとびっくりされることが多いですが、実際に身体の変化を目の当たりにすると納得されます。
心理の世界では
こころの世界を扱う心理の分野でも、イメージはよく使われます。
イメージワークといわれる手法では、自分の感情をある物の形や色・大きさ・温度などをイメージで表現させます。
自分のこころのブロックされたところを、イメージの力を使って、気づきと変化を起こす助けにできるんですね。
こうやって、自分自身が自分に変化を起こすために、
自分でイメージしたり意識をリフレーミング(枠をはずす)できるんです。ここからが本題です。
では、他者が自分のイメージや意識・意念を使って、相手の身体を変化させることは可能なのでしょうか?
う〜ん、どやろね?
それは可能なんです。
誰でもやっています、意識するしないにかかわらず。
えっ!それって誰かに自分の身体を支配されてるってことなの〜。
いいえ、そうじゃなくて、結局は自分の潜在意識を介してそうなるんだと思います。
簡単な例でいうと
うつ伏せでクライアントさんの背中を後ろから指圧するとします。
普通に押すとしたら、自分の指が相手の筋肉を押す、というそれだけを意識しますね。
今度は、触れている相手の背中が、ふわふわの綿だとイメージします。
押すと指がズブッと沈み込んで反対側の胸まで貫通し、
さらにその力が床を貫いて地球の中心まで伝わっていくとイメージしてみます。クライアントさんは、何も知らされてませんよ。
勝手にこちらがイメージするだけ。
それなのに、相手の受ける感覚はまるで変わるし、身体も変化します。
こちらのイメージの使いようで、相手の身体が同調して変化するんですね。
昔の中国では、「気」とか「意念」とか呼ばれていたものです。
今風に呼ぶと、意識エネルギーということでしょうか。
意識はエネルギーなんですね。
だから、自分に対しても、相手に対しても変化を起こす大きな要因となるんですね。
ということは、クライアントさんに対して、セラピストがどのような意識で施術しているかが、いかに大事かがわかりますね。
意識の使い方って、人と人が関わる以上、避けられないテーマだし、科学研究の最先端分野でもあるんです。
探求のし甲斐がありますね。