コラムColumn
- 環椎と軸椎のデザインをみてみよう
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- 2013/08/10
- からだのしくみ
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こんにちは、稲田です。
頚椎の1番と2番は、別名環椎、軸椎と呼ばれますね。
脊椎の骨の中でも、他の椎骨に比べ特殊な形をしています。
この2つの椎骨は、もともと球関節だったんです。
安定性がさほどないために、関節を安定させるために関節面が両側に移動し、環椎の椎体(ボール)が軸椎上に移動しちゃったんですね。
かわりに、ここに新しい構造である歯突起(しとっき)—もともと環椎の椎体だった部分が非常に長くなったもの)—と、そのまわりを取り囲む骨の輪ができました。
そんなわけで、本来あらゆる方向に動かせるため球関節をしていたものが、安定性を得るために車軸関節の要素を取り入れたわけですね。
身体のしくみっておもしろいですねー。(・∀・)
環椎には棘突起がないので、頚部の骨を上から触察する時に最初に触れるのが軸椎の棘突起です。
環椎の棘突起にあたるのが、後結節といいますが、ちょうど後頭骨と軸椎の棘突起の間のくぼみになっていますね。
環軸関節をつくる環椎の下関節面は、後ろから見るとハの字に後ろが広がっていて、これは坐骨の方向性と同じなんですね。
そして、関節面は凹面になっています。
軸椎の上関節面が凸面なので、ちょうどうまく噛みあいます。
軸椎を前からみると、こんな感じです。
この絵はちょっと宇宙人ぽいですが、これどっかで見たことないですか?
私たちが死んだらたいてい火葬にされますが、残った遺骨を拾う時に「これはのど仏さんですから、お骨の一番上に置かせていだだきましょう。」なんていう場面を経験したことないですか?
そののど仏さんが、軸椎つまり頚椎2番の椎骨なんですね。
たいていの方が、のどにある骨だと勘違いしているようですが。
正面からみると、確かに人が合掌しているように見えますよね。
エリックフランクリンが描いたイラストのイメジェリーだと、「上からの重みを支えるために腕を円形状に組んでいる人」です。
顔がかわいいっすね。(*^.^*)
この環椎と軸椎で作られる動きが回旋の動き、わかりやすくいうと「いや、いや」する動きです。
この動きについては次回に書いてみますね。