コラムColumn
- からだとこころをつなぐ物質オキシトシン
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- 2014/09/06
- からだとこころ
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こんにちは、稲田です。
この前のブログで、「統合すること」の意味について書きました。
そしたら、ハグすればいいのか〜って誤解されちゃいました。(^^;
でも、英語でPower of Hugsという言葉があるように、ハグにはヒーリングつまり癒しの力があるといわれています。
実際に臨床実験がされていて、血圧が下がったり、痛みが緩和したり、ストレスレベルが下がったりしたそうです。
施術の場で、ほとんどハグなんてしませんが(←あたりまえやろ!)、手を触れる行為は日常的に行っています。
この手を当てる、優しくタッチするということも、相手の自然治癒力を引き出すのにとても役立っているんですよ。
からだとこころのつながりを考える上で、「触れる」という身体感覚はいろんな示唆を与えてくれます。
スウェーデンの生理学者でモヴェリ博士という方がいます。
この博士は、私たちが優しく触れられる時には、常にオキシトシンと呼ばれるホルモンが分泌されることを発見しました。
オキシトシンは、産婦人科で陣痛促進剤としても使われていますね。
この、オキシトシンは人の脳内でも合成され、下垂体後葉から分泌されるペプチドホルモンです。
オキシトシンが中枢神経で神経伝達物質としてはたらき、子宮の収縮や乳汁分泌に作用するんですね。
そして、もうひとつ大切なはたらきがあるんです。
それは、母と子の絆や愛情、やすらぎや信頼といった感情を生み出すことがわかっているんです。
だから、オキシトシンのことを別名
愛情ホルモン 幸せホルモン やすらぎ物質 絆ホルモン
そして
抱擁ホルモン(でた〜、ハグホルモン!)
とも呼ばれているんです。ヒツジは出産後1時間以内に母子が引き離されると、授乳を拒否するそうですよ。
ところが、母ヒツジにオキシトシンを注射すると・・・
あら、不思議
1時間を過ぎても我が子を受け入れるようになったそうです。
さらに、なんと
他のヒツジの子どもまで受け入れるようになったそうです。
こんなすごいホルモンが、私たちが触れ合うだけで出てくるんですねー。
からだとこころをつなぐものは、物質としてはペプチドというタンパク質。
生理学的には、内分泌ホルモンや神経系。
そして、心理学的には身体感覚だといえそうです。
しかもこの身体感覚は、唯一自分自身で体感でき、自分でコントロールできるものですよね。
快楽物質といわれるエンドルフィンの発見に貢献したアメリカの生理学者パート博士もこのように述べています。
身体とは、心が物理空間で外の世界へと現われたものである。
感情は、情報を物理的な現実へと、そして心を物質へと変換する触媒なのである。
からだはこころを通じて癒されるし、こころはからだを通じても癒されるということですね。
ぼーや、そっちはママじゃないわよ
ママはあたしよ、あたし