コラムColumn
- 症状を取り除くのが健康につながる?
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- 2016/07/23
- 健康論
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前々回のコラムで、
「症状で出るのは悪いことか良いことか」というタイトルでさわりを書きましたがその続きです。
あなたは、症状をどうとらえていますか?
痛み、かゆみ、腫れや出血、動きの低下、だるさ、しびれ、冷え、めまい、気力の低下。。。。
などなど、症状って挙げ出したらきりがないですね。
症状ってなんで起こるんでしょう?
症状がない状態、特に異常・違和感を感じない状態が当たり前としたら、何らかの症状に気が付くとびっくりしますよね。
なんじゃこりゃ〜
って松田優作も叫んでましたもんね。
もしや、自分の身体に大変な問題が起きているのでは。。
そう考えても不思議ではありません。
たしかに何かがあって症状として現われたのですから。
問題は、ここからです。
症状は悪者なのか
このやっかいな症状をなんとか早く取り除かなくては〜!
そう考えて、病院へ駆け込んだとします。
お医者さんは、あなたの訴えを聞いて、検査をし、最適なお薬や場合によっては手術をするかもしれません。
あなたの症状を取り除くために、一生懸命にやってくれます。
めでたし、めでたし!
となれば別に言うことはないんですが、そうとも限らないのです。
症状の言い分も聞いてみよう
本来、身体は常に元のいい状態に戻ろうと働いてくれています。
そのしくみが、ホメオスタシス機構でしたね。
症状というのは、実は、身体を治してくれているサインととらえることができます。
サイン、つまり警報装置みたいなもんです。
もし、建物のどこかで火が出たら、火災報知器が鳴ります。
結構大きな音ですから、近所のおじさんが「うるさいから早よ音消してんか!」とスイッチを切ってしまいました。
せっかく火が出ているとお知らせしてたのに、警報が止められたので、知らない間に火がもっと広がってしまいました。
これが、症状だけを取り除こうとすることの問題点です。
いやいや、火災警報器を切る人はおらんでしょう!
そうですか、ではこんな例はどうでしょう。
1歳の坊やが大声で泣いています。
会社から帰って一息つこうと思ったお父さんはうるさくてゆっくりできませんでした。
そこで、坊やの口をふさいで、泣き声を止めましたとさ。
さて、これで、問題の解決になるでしょうか?
坊やはなんで泣いてたの?
お腹が減ってたのか、うんちして気持ち悪かったのか。
症状として出た泣き声の背後にある原因をなんとかしないといけませんね。
もし、うんちが原因なら、おむつを替えてあげれば泣き止みますよね。
身体は常に身体を守るためのサインを出してくれています
それを無視して、自分勝手に不快だからという感情からの判断で、本質である原因を見逃しているのが私たちが思い込まされている健康観ではないでしょうか。
身体の本来のしくみを知り、もとの状態に戻りやすくする手助けをすることも医療の大切な役割です。
医療だけでなく、運動指導者やセラピスト、また一人ひとりがセルフケアする時の大切な考え方じゃないでしょうか。