Column

「触れられること」がなぜ安心につながるのか
  • 2025/09/15
  • 音・エネルギー・イーマサウンド
私たちは、なぜ「触れられること」に安心を感じるのでしょうか。

「言葉をかけてもらう」よりも、「ただ肩にそっと手を置かれる」ことで涙が出る瞬間があります。

そこには、単なる心理的な慰め以上の、からだレベルの反応があるようです。


皮膚は“外部の脳”


触覚は、五感の中でも最初に発達する感覚です。

赤ちゃんが抱っこされて落ち着くのは、皮膚を通して「ここは安全だ」と神経系が感じ取るから。

皮膚は“外部の脳”とも呼ばれ、触覚刺激が直接、自律神経やホルモンの働きに作用します。

やさしく触れられることで、オキシトシン(安心ホルモン)が分泌され、腹側の副交感神経が優位になる。

それが、からだ全体に「ゆるんでも大丈夫だよ」というメッセージを伝えてくれるのです。

からだ解放セラピーの場面から


ある方のセラピーセッションで、みぞおちの辺りに軽く手を添えてしばらく横隔膜の動きを感じていた時のことでした。
緊張で硬くなっていたお腹がふーっとやわらぎ、大きく深い呼吸が流れ込みました。

「もう、がまんしなくてもいいんですよね。」
クライアントさんがそうおっしゃったとき、

張りつめていた表情がゆるみ、頬に涙が流れ落ちていました。

これは、言葉で気づきを促したからではありません。
からだに触れられた瞬間に、皮膚をを通して“安心安全”を思い出したのです。

音が触れるということ


イーマ・サウンドセラピーでも、同じようなことが起きます。

特殊な音と光の振動は、皮膚や細胞に「触れて」働きかけます。
喉やお腹のチャクラ(エネルギーの出入り口)が整うと、呼吸が自然に深くなり、不思議と落ち着くんです。

「音がからだをなでているみたいだった」
「皮膚の奥から、温かさが広がっていく感じがした」

そんな感想をいただくのは、音の響きが触覚と同じように自律神経系を安心のモードへ導くからなのだと推察できます。

(「安心できるからだ」をとり戻す選択 —— ポリヴェーガル理論とイーマ・サウンドセラピーの関係について書いたこちらのコラムも参考に!)

安心かどうかは“からだが先に知っている”


安心は頭で「大丈夫」と理解してつくるものではありません。

もっと原始的なレベルで、からだが先にキャッチしているものです。

触れられること、音の響きを受けることは、その入口になります。

だからこそ、言葉を超えたセラピーに力があるのですね。

ここで、少し考えてみてください。

・信頼できる誰かに背中や手を軽く触れられて、ふっと力が抜けた経験はありませんか?
・強い言葉の励ましよりも、「ただ隣にいてくれた」ことで救われた瞬間はありませんか?

その時、自分のからだが“先に安心した”記憶が、きっとあるはずです。

その感覚こそ、セラピーの場で再び呼び起こされるものです。

体験してみたい方へ


触れること、音の響きを浴びることは、私たちが「安心できる自分」に戻るための大切なスイッチ。

言葉だけでは届かない領域に、からだはちゃんと応答してくれます。

そしてその瞬間、こころとからだは同時にほぐれ、もう一度「自分らしく生きていいよ」と、内側からいのちが輝き始めるのかもしれません。

手で「触れられる」ことでスイッチが入るように、イーマ・サウンドセラピーでは「音に触れられる」体験を通して、その感覚を思い出すことができます。

横になって受けるだけで、呼吸が深くなり、ふっとからだがゆるんでいく。
言葉では届かなかった領域に、音と光の響きが優しく触れてくれる。

もし今、
・ずっと緊張が抜けない
・不安や疲労で気持ちが休まらない
・「安心できる場所」を探している

そんな方は、ぜひ一度ご自身のからだで感じてみてください。


編集者プロフィール
院長紹介
からだ道場【猫の穴】代表の
稲田 泰弘(いなだ やすひろ)です。

病院では「異常なし」と言われたけれど、
体や心のつらさが続いている。
そんな方と、これまで多く向き合ってきました。

からだ道場猫の穴では、
言葉にしづらい不調や違和感に対して、
決めつけず、その人の感覚を大切にする
「調律」という考え方を軸にセラピーを行っています。

このコラムは、
日々の現場や対話の中で感じてきたことを
ひとつの視点として綴っています。

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