コラムColumn
- 骨だって生きているんだよね〜
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- 2013/05/13
- からだのしくみ
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こんにちは、稲田です。
姿勢について考える場合いろいろな見方ができますね。
一般的な良い姿勢悪い姿勢というとらえ方ではなくて、その人が重力をどのように受けとめているかという視点もあります。
あなたのその姿勢は、まさに今受けとめている重力に適応しているわけですよね。
ウォルフの法則ってご存知でしょうか?
19世紀のドイツの解剖学者ジュリウス・ウォルフさんが唱えたものです。
骨にかかる力学的なストレスについての作用を骨折した骨の治癒する過程を調べて法則としたものなんです。
骨はある部分に体重がかかって強い負荷が生じると骨を作る細胞が活発に働いて増殖していきます。
逆に負荷があまりかからない部位には、さほど強度はいらないですね。
すると、身体のほうが判断して必要以上に骨を作らなかったり、骨を溶かして壊してしまうんです。
すごいですよね〜、骨にも意志があるように丁度いい具合に作り変えてくれているんですね。
正常にせよ異常にせよ、骨はそれに加わる力に対抗するのに最も適した構造を発達させるということです。
成長期の子供たちは骨の発育や作り変えがどんどん起こっています。
しかし、大人になった私たちは骨の形の変化はゆっくりと起こります。
でも確実に起っています。
重力に対して自分がどのように適応しているか、それによって姿勢も形作られていきます。
昔は田舎の農家で背むしのように背骨が曲がったおばあさんをよく見かけました。
そのような摩耗と変形に甘んじるか、80歳を超えても颯爽と歩ける品格を感じる老婦人でいられるか。
姿勢の変化を導くためには、重力の受けとめかたや適応の仕方を変えていくことです。
骨格のしくみを学ぶ時も、模型や化石的な見方よりも生きて常に変化している骨という視点もどこかにいれておくと骨にも愛着が湧いてきますね。