コラムColumn
- こんな背骨のイメージをもっていませんか?
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- 2013/07/11
- からだのしくみ
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こんにちは、稲田です。
私たちは、普段あたまの中で記憶されていることについて、かなりの部分を「思い込み」で認識しています。
まぁ人生すべて「思い込み」だといえばそうなんですがね。
役に立つものもあれば役に立たない、もしくは害になる「思い込み」もありますね。
心理療法の世界では、ビリーフといいますが、役に立たないビリーフを大事にもっているためにいろんな悩みで苦しんでいる方もいるわけです。
そのような場合は、ビリーフを書き換えることで悩みの根元となるものを消し去ることができます。
身体のことについても、私たちは結構間違った思い込みをもっていたりするんです。
そのような思い込みを書き換えるには解剖学的な事実を知ることが非常に有効ですね。
なぜなら、解剖学は実際にあるものを事実として示しているので、そこに疑いをさしはさむ余地がありません。
どこそこの創始者がそう言ってたから、というあいまいさがないのがいいところですね。
背骨はよく「脊柱」という言い方をします。
この柱という表現を使うと、背骨は真っ直ぐな柱状になっているというイメージをもちやすいですね。
多くの人はおそらくこのイメージをもっていて、背骨がS字のカーブをしていると認識している方は案外少ないと思います。
背骨のS字カーブは動きの中で作られ、維持されていきます。
だから、もしこのカーブを使わないと失われてしまうことになります。
歳をとれば背骨は曲がるものだ、という思い込みもここからきているんじゃないでしょうか。
もうひとつ、背骨と言った時、多くの方は棘突起の部分を認識しているようです。
棘突起(きょくとっき)は出っ張っていて皮ふの上から触れますね。
ですので背骨は背中側にあるもんだと思い込んでいるようです。
私たちはの脳は、視覚的に見えないものを認識するのが不得手なんです。
だから、外から確認できる棘突起の部分を背骨と思ってしまうんですね。
実際は脊椎の椎体はもっと体の中心に近いところに位置しています。
腰椎の4番・5番や上部の頚椎は、ほぼ体の中心軸上にありますね。
このような背骨に対する2つの誤った認識があるために、自分の背骨のイメージと実際の解剖学的事実とにズレがあるんです。
このズレがなくなり、イメージと解剖モデルが一致すれば、より統合した動きが作れたり、ボディイメージの改善につながります。