コラムColumn
- 人間の肩の構造はどこからきたんでしょうか?
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- 2013/09/03
- イメージとからだ
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こんにちは、稲田です。
肩帯(上肢帯)とは、肩甲骨と鎖骨、そして上腕骨を含めた肩関節複合体のことです。
そもそも何故私たちには肩帯があるのでしょうか?
何故、腕は直接体の前面についていないのでしょうか?
もし腕が胸に直接ついていたとしたら、かなり不都合なことになりそうです。
たとえば・・・
まず衝撃を受ければ、ダイレクトに心臓にダメージをもらいますね。
また、腕の動かせる範囲もかなり限られてしまいます。
つまり、肩帯は腕と胸郭の間にあって、緩衝作用の役目をするんですね。
肩を柔軟に動かし、腕を使って物を投げたり、木の枝にぶらさがったりして弾力性と可動域の拡大をもたらしてくれるんです。
進化の過程からみてみると、ヒトの肩の構造はどこから生まれてきたのでしょうか?
四足動物が後ろ脚で立ち上がって、前脚を腕として使うようになったのでしょうか?
馬などの4足動物の肩の構造はヒトのそれとは大きく異なっています。
肩甲骨が真横についていますね。
馬は特に走ることに特化されて進化していきましたから、前脚の肩のしくみも働きもヒトのものとはずいぶん違うんです。
じゃあ、ヒトの肩帯のしくみはどこからきたのか?
みなさん、最近バンザイしてますかー。
バンザイするためには腕を頭の上に挙げられないといけませんね。
安倍総理もちょっと窮屈そうな挙げ方ですね(^_^;)
今でもバンザイしながら生活している哺乳類といえば、チンパンジーなどの類人猿です。
中でも木の枝から枝へするすると渡り移るテナガザルなんかは、この肩帯がもっともよく機能している例ですね。
ジャン=バティスト・ド・パナフィユー著『EVOLUTION 骨から見る生物の進化』より
私たち人間の肩帯は、四足動物からきたものではなく、木にぶら下がって移動する動きから今の形に進化してきました。
なので、最近腕が上に挙げにくくなったという方はちょっとやばいですよ。
気持ちよくバンザイできるためにも、肩帯のしくみと動きを知ることは役に立ちそうですね。