コラム

Column

靭帯は栄養をどこから吸収してるのですか??
  • 2014/08/21
  • からだのしくみ

こんにちは、稲田です。

先日、からだ道場の生徒さんからこんな質問メールが届きました。

先生こんにちは!

またまた質問があります。

靭帯は栄養はどこから吸収してるのですか??

筋肉は血管が通ってますよね。

靭帯にも血管はとおってるのですか?
靭帯には血管は通ってないから、切れたら修復しないって聞いた記憶があります。

実際にはどうなんですか??

調べてもなかなか見つからなくて。。。

前、靭帯は血液が通っていないからずっと保管できるって、本物の靭帯をカプセルにいれて見せてくださった先生がいらっしゃいました。

その先生は
『靭帯は血液が通っていないから腐らないし、切れても修復しない』
っておっしゃったんです。

そして、
肉離れは筋肉の断裂
捻挫は靭帯の断裂
って習いました。

靭帯は修復しないって聞いたのに捻挫治ります。

それはなんでかがとても不思議なんです。

そもそも捻挫は靭帯と筋肉両方の断裂なんでしょうか?

なるほどー。

靭帯って、血管がないので修復しないはずなのに、どうして捻挫が治るのかに、???ってなって、気になって夜も眠れないみたいね。

そもそも靭帯ってなんなのでしょうか?

シンプルに言うと、骨と骨を結ぶ丈夫な結合組織ですね。


結合組織?


結合組織というのは、文字通りいろんな組織や器官の間隙を埋めて結合している組織ですね。


組織って?


こうやって人体の構成をチャンクアップしていくと、最後は細胞に行き着きます。

その同じ形態と機能をもつ細胞が集まり、一定の規律に従って配列したものを組織というんですね。(ふぅー)


ちなみに、組織には

上皮組織・結合組織・筋組織・神経組織

に区別されますよ。

で、その結合組織には、その細胞間基質(細胞と細胞の間を埋めている物質)の性質によって、

骨 腱 靭帯 血液 軟骨などがあります。

質問は栄養血管がないのに、「どうして捻挫は治るのか」でしたね。

まず、骨・腱・軟骨(たとえば椎間板)には栄養血管があります。

P8210224 (500x375)
 骨

P8210223 (500x377)
 腱

P8210222 (500x497)
 椎間板

血液はそのまんまですが、骨髄で作られますね。


そして、靭帯


靭帯に栄養血管があるのかないのか?

手持ちの資料で調べてみても、はっきりとした組織図が出ていませんでした。

こういうときは原点に立ち帰ってみよう。

そもそもヒトの細胞は、細胞外液に浸されています。

単細胞生物にとっての海のようなものね。

細胞内の環境を維持するためには、栄養を吸収したり代謝産物を排出したりしないといけませんよね。

ヒトの場合、全身の細胞との間で栄養・排泄の交換を行うバイプ役が毛細血管なんですよね。

だとすれば、やっぱり血管がないと細胞は生きていけないんじゃないかしら。

最終的には、血液と細胞間質液のやりとりが行われるはずなので、靭帯にも乏しくとも血管があると思うのですが。

もし、詳しいことをご存じの方がおられたら是非教えてください!


それから、たとえば足関節の捻挫についてですが。

この場合の捻挫とは、関節が正常に動ける範囲以上に外力がかかったために生じた関節包や靭帯の損傷のことです。

伸ばされた程度の軽症から、部分断裂の中症、完全断裂しちゃた重症のものまであります。

だけど、きちんと処置をすれば治癒していくものですよ。

せっかく結合組織の話題がでたので、次回ははたらきについて書いてみますね。

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