コラムColumn
- 人体を構成する単位とそれに関しての話し
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- 2014/10/28
- 解剖学の基礎
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人体解剖学の成書を紐解くと、最初の方に解剖学総論として人体の系統発生と個体発生の記述があります。
そして、次におおまかな人体を構成する組織学の記述がありますね。
そんなのは抜きにしていきなり筋骨格系のトピックに入る本もありますが。
ヒトを含めて生命体の一つの単位を「個体」といいます。
人体の場合、まず細胞(cell)があってそれらが集まって基本的な4種類の組織(tissue)で構成されます。
上皮組織 筋組織 結合組織 神経組織ですね。
組織がさらに複雑に組み合わさり器官(organ)という単位になります。
たとえば、胃は上記の4つの組織により構成された器官になります。
筋組織と結合組織が胃の壁を形成し、上皮組織と結合組織が胃の表面をおおい、神経組織が両方に分布するわけですね。
そして、さらに器官がいくつか集まって系(system)がつくられます。
ここまでくると、かなり複雑な機能をもち有機的に統合された生命体として活動ができます。
主な系には、以下のようなものがありますよ。
骨格系・筋系(運動器系) 消化器系・呼吸器系・泌尿器系・生殖器系・内分泌系(内臓系) 脈管系(循環器系) 神経系 感覚器系
僕らが直接に扱ったり、対象とするのは運動器系・神経系・感覚器系あたりでしょう。
感覚器系の一部として固有受容器である筋紡錘や腱紡錘などの細胞を対象にすることもありますが、直接触れる対象ではありません。
体表を通して手で触知できたり運動指導で対象とされるのは、運動器系の基礎構造とされる、骨や筋がほとんどだと思います。
そんなわけで、骨格のしくみや関節のはたらきを学び、筋の機能解剖を学ぶことで、人体の動きがほぼ理解できると思われているわけです。
が、しかし、ほんとうにそれだけで運動器系の問題が解決できるのでしょうか?
骨格の歪みは、バキバキって骨を矯正すれば元に戻りますか?
筋肉の硬縮は、ひたすらマッサージをしたり、神経反射的な施術で元に戻りますか?
僕の経験上、一時的に良くなってもまたすぐに前の状態にもどります。
それは何でかって言うと、骨や筋だけを対象に施術をしているからなんです。
人体の構造をよく建物にたとえて言われることがありますね。
人体は動く家だとかね。
でも、このたとえはちょっと実際の人体の構造を反映してないように思っています。
建物の場合、連結部は固定して動かない状態ですよね。
100歩ゆずって免震構造があったとしても、固定した形を維持できないと困りますね。
逆に、連結が動きすぎてゆるゆるだとしたらどうでしょう。
今度は形を成さないので、役に立ちません。
つまり、
僕らが重力下において、動きながらなお且つ形ある存在として成り立っているのは、骨と骨の間に結合組織という「膜構造」があるからです。
そして、このような人体のしくみをテンセグリティ構造があるといいます。
実際に人体の解剖実習をしてみると、人体のあらゆるところに存在する線維状の膜構造があるわけです。それらを掻き分け掻き分け、個々の器官を取り出すわけです。
日常的にも、鶏の胸肉の皮をはぐときに繊維状の膜があるでしょ。
ささみ肉をチーズとしそをはさんでフライにするとき、ささみの薄皮とスジを取るでしょ。
あれですよアレ。
あまりにもありふれた存在のため、解剖学者の興味をそそらなかったのか、研究対象として重要視されませんでした。
だから、僕らもついつい派手でバリエーションに富んだ筋や、見てわかりやすい骨や関節を対象としてきたんですね。
近年では、ロルフィングのようなボディワークや、『アナトミートレイン』のトーマス・マイヤーズらによって筋膜へのアプローチが提唱されてきました。
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今までも、結果的に筋膜に働きかけていたということは多々あったでしょう。けれど、これからは明確に膜構造へのアプローチを意識することが必要だなと思います。
それは、施術においても、動きをよりよくするムーブメントにおいてもです。
なんだー、やるかこんにゃろ
ってこんな動きができるのもまくのおかげだね