Column

課題の分離とヒーリング──あなたの人生を、あなたの力で歩くために
  • 2025/12/01
  • 音・エネルギー・イーマサウンド
「なんでこんなに頑張っているのに、心も体もしんどいんだろう…」
「ちゃんと休んでいるはずなのに、疲れが抜けない」
「誰かのために動いているのに、どうして自分だけ苦しくなるんだろう」

こうした感覚、じつはとても多くの人が抱えています。

そして心がつらいだけでなく、
・呼吸が浅い
・胸がそわそわする
・眠りが浅い
・肩がカチカチ
・ずっと軽い緊張が抜けない
といった“体のサイン”まで、静かに積み重なっていくんですよね。

でも、ここにひとつだけ大事な視点があります。

もしかしたら今あなたは、“自分の課題ではないもの”まで背負っているのかもしれません。

アドラー心理学では、これを「課題の分離」と言います。
「これは誰の課題なのか?」という問いは、心の負担だけでなく、体の緊張にも大きな影響があります。

 課題を分けるということは、冷たさではなく“深い優しさ”


アドラーが言う「課題の分離」は、
「相手のことなんて知らない」という冷たさではありません。

むしろその逆。
“その人の人生を奪わない優しさ” のことなんです。

イギリスの古い諺に、こんな言葉があります。

“You can lead a horse to water, but you can't make it drink.”
「馬を水辺に連れていくことはできる。でも、水を飲むかどうかを決めるのは馬自身。」

どれだけ大切に思っていても、
相手の選択や行動を代わりに決めることはできません。

そしてこれは、実はセラピーの世界でもまったく同じなんです。

セラピーの現場で起こりやすい「境界線の混ざり」


クライアントさんがつらさを抱えて目の前に来てくれたとき、
セラピストは自然とこう思います。

「楽になってほしい」
「なんとかしてあげたい」

その気持ちはとても大切。
でも強くなりすぎると、セラピストが相手の課題まで引き受けてしまったりします。

一方でクライアント側も、
「私を治してください」
「全部お任せします」
という気持ちが強すぎると、自分の課題と他者の課題が混ざってしまう。

この“境界の混ざり”が起きると、
どちらも苦しくなってしまうんです。

セラピストは「治す人」ではなく、「灯りをともすガイド」


私が大切にしているのは、
“セラピストは治す人ではなく、ガイド役である” という姿勢です。

セラピストができることは、
・心と体のエネルギーを調律する
・内側のパターンに光を当てる
・変化の方向性を示す
・安心して委ねられる場をつくる

でも、セラピストにできないこともあります。
・クライアントに代わって「変わる」こと
・本人の人生の選択を引き受けること
・行動や気づきを強制すること

だからセラピーは、
セラピストが行き先を照らし、クライアントがその道を歩く。
この“二人三脚”で成り立っています。

クライアントの役割は、変化のハンドルを自分で握ること


「全部自分で頑張る」必要はまったくありません。
でも「変化のハンドル」だけは、あなた自身が握っていてほしいんです。

これは、“自分だけで頑張れ”という意味ではありません。

むしろ逆で、
自分の力が少しずつ戻っていく感覚を、一緒に育てていきたい。
そんな思いなんです。

あなたが自分のペースで選び、気づき、動くとき、
変化は深く根づいていきます。

イーマ・サウンドセラピーが土台を整え、変化を後押しする


イーマ・サウンドの音の周波数がからだと共鳴すると、
あなたの心と体の“土台”を静かに整えてくれます。

緊張がほどけ、呼吸が深くなり、
ずっと握りしめていた感情がやわらかくなっていく。

でもその先で、
“変わる”という選択をするのは、あなただけができることです。

だからこそ、
イーマ・サウンドとあなたの意志が合わさると、変化は深いところから、でも確実に動き出します。

課題の分離は、「あなたの力を信じる」という最大の優しさ


課題の分離とは、
あなたを突き放すためのものではありません。

むしろ、
あなたがあなたの人生を生きられるように、尊厳を守る考え方。

そしてセラピーは、
“あなた任せ”でも
“セラピスト任せ”でもありません。

私がイーマの音で道を照らし、
あなたがその道を歩く。

その柔らかな協力関係こそが、いちばん深い癒しを生み出します。

あなたの内側にある“変わる力”を、私は信じています。
これからも一緒に、その力を取り戻していきましょう。

編集者プロフィール
院長紹介
からだ道場【猫の穴】代表の稲田 泰弘 です。

どこに行っても「異常なし」と言われて、それでも体も心も、つらい日々が続いている──
「これ以上、誰に何をどう相談したらいいのか…」そんなふうに感じていませんか?

京都市にある『からだ道場 猫の穴』は、言葉にしづらい不調や、説明のつかないつらさを抱えているあなたに、じっくりと寄り添うためのセラピーサロンです。

医療や他の代替療法では届かなかった場所に、やさしく、でも確かに響いていく──
それが、私の目指す「調律」です。

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