コラムColumn
- 腹壁の中をのぞいてみたら何がある?
-
- 2014/12/10
- 見立てのスキル
-
今月の講座のテーマは、『コア・体壁の筋を視覚化できるようにしよう!』です。体壁というのは、胴体部分を囲む壁の役割をする筋肉や骨などの連続したパートのことです。
英語でいうと、BODY WALL(ボディウォール)、そのまんまですね。^^;)
腹壁と胸壁に分けられますよ。
また、最近よく聞かれるコア(Core)を構成する筋を含んでいます。
厳密に、コアとか体幹部位はどこを指すかといわれると、いろんなムーブメントの立場によって意見の分かれる所でもありますね。
ここでは、正解はどれかとかの話をするわけではないので、体壁と同じ意味で使いますね。
体壁の個々の筋やつながりについては半日講座の中で詳しくやっていきます。
今日は、かんたんなイメージを使って体壁を感じてみましょう。
自分自身を映画のミクロ決死隊のように小さくなったとイメージしてください。
自分のお腹側から、体壁(腹壁)の中にゆっくりと潜り込んでいきましょう。
まずは、皮膚に出会いますね。
その下に脂肪層や皮下組織があります。
肥満気味の人はここを抜けるのはなかなか時間がかかるかも知れません。
次に出会うのが、浅層の筋膜です。
そして、お腹の中心を通るなら、白線を通過しますね。おへその少し横から入るなら、腹直筋鞘の前葉を透過し、腹直筋に入り、さらに腹直筋鞘の後葉に出ます。
さらにさらに、そこを通り抜けると、横筋筋膜を突き抜け、ようやく最後の壁側腹膜に至ります。
もっと進むと、臓側腹膜に包まれた内臓がありますね。
いや〜長い道のりです。
ちなみに、腹直筋よりももう少し外側から侵入すると、
浅腹筋膜の次の層は外腹斜筋が、中間層には内腹斜筋が、そして一番内側には腹横筋があります。
3つの筋のそれぞれにもこれまた筋膜で包まれているんですね。
ほんとよく見れば膜だらけですね。しかも、これらの結合組織からなる筋膜は、非常に弾力性があってよく伸び縮みできます。
エラスチンという線維タンパクが、コラーゲン線維ををしっかりとつなぎとめてできた筋膜システムなんです。
この筋膜のつながりが、さまざまな動きをうまく伝えてくれるんですね。
筋膜さん、ありがとう!
これからは、焼肉の固いスジのところも残さず食べますので。(・ω・)/
触察法としては、腹直筋以外は明確に触り分けしにくいところです。
ですが、動きの体感とイメジェリーによる視覚化をすることで記憶に残る学習ができます。
シットアップにみられるような腹筋運動が楽にできることにびっくりされるでしょう。
もっとも、機能的なエクササイズという観点からは、腹筋を割るほどのトレーニングは必要ないんですが。
ふっ、あんたらのはたいしたことねえのう
わたしらの腹壁は特大の袋つきじゃけん