Column

自律神経とこころの働き——“性格の問題”ではなく、体の反応としての不調
  • 2025/09/22
  • からだとこころ

「性格のせい」じゃなかった


気分の落ち込みや、不安感、いつも頭が休まらない感じ。
そんなとき、つい「私って弱いのかな」「性格の問題かな」って思ってしまいませんか?

でもね、それはあなたの“人間性”や“性格”のせいじゃないんです。
からだのバランスが崩れて、自律神経が過敏に反応しているだけのことも多いのです。

自律神経は、呼吸・鼓動・消化といった命の働きを無意識にコントロールしています。
だから、そのバランスが乱れると、自然に「こころ」にも波風が立つわけ。

これは決して特別なことではなく、こころとからだが密接に結びついている証拠なのです。

こころの奥にある「思い込み」


からだのバランスが大事とは言ったものの、もうひとつ大事なところがあります。

私たちの潜在意識・無意識の領域には、これまでの経験と記憶でしみついた「思い込み」や「セルフイメージ」が眠っています。

「私は迷惑をかける人だ」
「私はどうせうまくいかない」

こうした潜在意識に隠れている自己否定的なイメージを持っていると、何かの引き金があると自律神経を緊張させてしまい、悩みや苦しみをともなって表れることがあります。

だから、不安やしんどさは——からだとこころの両方から生まれている、と言えるのです。

セラピーセッションの一場面から


先日、20代の女性がイーマ・サウンドセラピーの体験セッションに来られました。
「気分の落ち込みと不眠が続いていて……」と。

病院では「異常なし」と言われたけれど、毎日がつらい。薬を飲んで抑えるのもしたくないしと。

セラピーの過程ではお腹にも音をあてるのですが、最初はガチガチに張って緊張していたのが、ある瞬間ふっとゆるみました。

はぁーっと呼吸が大きく深まり、顔の表情がやわらかくなっていくのがわかりました。

そしてセラピーが終わったあと、彼女はこう話してくれました。

「頭の中でぐるぐる回っていた思いが止まって心地よい感覚に満たされました。なんだか不思議と安心感がでてきました。」

実はこの変化、最新の神経科学の視点からも説明できます。

お腹にイーマサウンド音をあてると、脳と腸をつなぐ迷走神経が反応します。

自律神経の最新知見であるポリヴェーガル理論でいう「腹側迷走神経系」が働き出すと、呼吸や消化が整い、安心感が広がっていくことが証明されています。——その瞬間を、彼女は体感していたのかもしれません。

からだが整うと、こころも整う


イーマ・サウンドセラピーは、音と光の振動を使ってエネルギーの周波数を整える見えないからだへのアプローチ法なのですが、肉体の面から診ても自律神経の過敏な反応をやわらげていきます。

とくに「お腹」や「喉」といったチャクラに当たる部位に音をあてると、脳とのつながりがダイレクトに反応し、思考や感情にまで変化することがセラピーの場では何度も確かめられています。

これは「脳腸相関」と呼ばれる生理学のしくみとも深く関わっています。

腸の状態が脳の働きを左右し、逆に脳のストレスが腸の不調を招く。

その回路を音でやさしく整えることで、からだからこころへ、自然な回復の流れが始まるのだと考えています。

あなたは弱いわけじゃない


大切なのは、「メンタルの症状がある=自分の弱さ」ではないということ。
あなたは本来欠陥があるわけじゃなくて、調和を取り戻す途中にいるだけなんです。

体からのアプローチと、心の奥の思い込みをシフトするアプローチ。
その両方が重なったとき、本当に深い安心と回復が訪れます。

からだ道場猫の穴で、まずは体を通して安心を取り戻すことから始めてみませんか。
イーマ・サウンド体験セッションでは、横になるだけで「からだが深呼吸を思い出す瞬間」を体感していただけます。


編集者プロフィール
院長紹介
からだ道場【猫の穴】代表の稲田 泰弘 です。

どこに行っても「異常なし」と言われて、それでも体も心も、つらい日々が続いている──
「これ以上、誰に何をどう相談したらいいのか…」そんなふうに感じていませんか?

京都市にある『からだ道場 猫の穴』は、言葉にしづらい不調や、説明のつかないつらさを抱えているあなたに、じっくりと寄り添うためのセラピーサロンです。

医療や他の代替療法では届かなかった場所に、やさしく、でも確かに響いていく──
それが、私の目指す「調律」です。

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