Column

話せないとき、音が先に届くことがある ——言葉を超えて届くイーマ・サウンドセラピー
  • 2025/08/11
  • 音とエネルギーの世界
「悩んでいることを話してください」と言われても、
うまく言葉が出てこない。

そんなときがあります。

気持ちがまとまらない。
何から話せばいいのかわからない。
話そうとすると、かえって苦しくなる。

心が弱っているときだけではありません。
疲れが深くなりすぎたとき、
不安や緊張が続いているとき、
人は“言葉を扱う力”そのものが落ちてしまうことがあります。

だから、話せないことは
甘えでも、逃げでもありません。

今は、
言葉より先に体を休ませたい。

そういうこともあるのだと思います。

話すことで整っていくものもある


もちろん、
言葉には力があります。

自分の気持ちを言葉にし、
誰かに受け止めてもらうことで、
心の中が少し整理されることがあります。

からだ道場【猫の穴】で行っている
こころ解放セラピーも、
そうした対話を通して
感情の奥にある反応や思い込みに触れていく方法です。

自分でも気づいていなかった感情が見えてきたり、
繰り返していた苦しさの背景がわかったりすることがあります。

こうしたアプローチは、
内面に向き合う余力があるときには
とても助けになります。

けれど、いつもそれが合うとは限りません。

人によっては、
自分の内側を見ること自体が
今はまだしんどいこともあります。

話さなくてもいい入り口


そんなとき、
助けになることがあるのが
イーマ・サウンドセラピーです。

これは、
音の振動(周波数)を使って
体とエネルギーの調律を促していく方法です。

横になって音を浴びる。
していただくことは、それが中心です。

簡単なヒアリングはありますが、
多くを話す必要はありません。

だからこそ、

話す元気がないとき。
言葉にする前に涙が出そうなとき。
頭では説明できないけれど、
ただつらいとき。

そんな状態でも、
無理なく受けていただけるんです。

音は、
理解してから届くものではありません。

言葉で整理してからでなくても、
体が先に反応するものなのです。

呼吸が深くなる。
力が抜ける。
張りつめていたものがゆるむ。

そういう変化が、
言葉より先に起こっていく共鳴現象です。

話せないほどつらかった青年のこと


猫の穴に、親子で来られた方がいました。

50代のお母さまと、その息子さんです。

息子さんは強い抑うつ状態が続いていて、
表情は硬く、
こちらの問いかけにも
ほとんど言葉が返ってきませんでした。

何かを話してもらうことより、
まずは休めることが大事だと感じました。

その日は、
イーマ・サウンドセラピーで
音の調律を受けていただきました。

セッション中、
彼はただ横になって
音を浴びていました。

しばらくすると、
少しいびきをかきながら
眠っておられました。

終わったあと、
顔の力が少し抜けて、
来られたときより
強ばりがやわらいだように見えました。

翌日、お母さまから
ご連絡をいただきました。

「今朝は、いつもある不安感がないと
本人が言っています」

その一言に、
こちらも深く印象づけられました。

言葉をたくさん交わさなくても、
体の緊張がほどけることで
不安の波が静まっていくことがあります。

音が届くことで、
人の中にある回復する力が
動き出すことがあるのだと思います。


言葉の前に、安心が必要なことがある


人が変わっていくとき、
いつも「気づき」から始まるとは限りません。

まず必要なのは、
安心して休めること。

張りつめていた神経がゆるむこと。
体が少し息をつけること。

そうして土台が戻ってきてから、
初めて言葉にできることもあります。

だから、

「話して整える」ことと
「話さず整っていく」ことは、
どちらが上というものではありません。

そのときのその人に
合っている入り口があるだけです。

イーマ・サウンドセラピーは、
話すことが難しいときにも
入っていける入り口のひとつです。

まずは、
体が安心を思い出すこと。

音がそのきっかけになることがあります。

イーマ・サウンドセラピーについては、こちらで詳しく伝えています。
編集者プロフィール
からだ道場【猫の穴】代表の
稲田 やすひろ です。

東洋医学や心理学、
身体療法やエネルギーワークを探究しながら、
30年以上にわたり多くの方の心と体に向き合ってきました。

私が大切にしているのは、

「不調をなくすこと」だけではなく、

その人らしい健康と暮らしを育て、
本来の生命力が発揮されることです。

このコラムでは、
そんな視点から日々感じていることや、
健康・暮らし・生き方のヒントを綴っています。

どんな状態にも理由があります。
その声を軽く扱わず、丁寧に向き合うことを大切にしています。

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