コラムColumn
- 「治す」ではなく「戻る」。本来のあなたが持っている、自然な力へ。
-
- 2025/05/30
- コラム
-
想いを押し込めたまま、「治そう」としていませんか?
不調を感じたとき、わたしたちはつい「治さなきゃ」「元気にならなきゃ」と、自分にムチを打ってしまいがちです。けれど、本来、心とからだはいつでも「治ろう」としています。目には見えないけれど、内側では回復へと向かう流れが、静かに息づいているのです。
たとえば、擦りむいた傷がいつの間にかふさがるように。深く悩んだ心が、ふとしたときにふっと軽くなるように。それは、わたしたち一人ひとりの中に備わっている「自然治癒力」という働きです。
本来の力は、誰の中にもある
誰にでも、その力は備わっています。ただ、過剰なストレスや環境、長年のクセや思い込みが積み重なると、その力はまるで厚い雲に隠れた太陽のように、見えにくくなってしまいます。
わたしがからだ道場猫の穴で大切にしているのは、そうした「本来持っている力」にもう一度つながってもらうこと。
誰かに“治してもらう”のではなく、ご自身の内側にある力に“戻っていく”感覚を実感してもらうこと。それが、このセラピーの本質だと考えています。
からだが教えてくれる、ほんとうのこと
からだは、すべてを記憶しています。緊張した日々、無理して笑ったこと、泣きたくても泣けなかった時間……。そのひとつひとつが、筋肉や内臓、呼吸のリズム、エネルギーの流れに刻まれています。
けれどその逆もまた、あるのです。
からだにやさしく触れ、音を届け、安心に包まれると、からだは「ああ、もう大丈夫なんだ」と、少しずつ本来の自分を思い出していきます。かたくなだった心も、ふとした瞬間にほどけていく。何かを「しよう」としなくても、自然に流れ出すものがあります。
それはちょうど、凍った土が春の陽射しでゆっくりと解けていくような、無理のない、自然で確かな変化です。
「治す」のではなく、「守ってきた自分」を見直す
「治す」という言葉には、“何かが欠けている”とか“間違っている”というニュアンスが含まれているかもしれません。でも、わたしはそうは思っていません。
あなたは、ずっとがんばってきた。そのがんばりが、あなたを守ってきたのです。そして今、その守り方を少し見直すタイミングに来ているだけなんですよ。
静けさの中で、再びつながる
セラピーを通して、少しずつ本来の自分に戻っていく。肩の力を抜いて、深い呼吸とともに、本来のあなたの響きにチューニングを合わせていく。そこには、どこか懐かしくて、でも新たな安堵の感覚があります。
自分の中心とつながる。それは、人生のなかでもっとも深い癒しになることがあります。
「戻る」というのは、過去に戻ることではありません。誰でもない自分として、いまこの瞬間に立ち戻ること。
そこにしか、本当の力は宿らない。わたしはそう信じてセラピーに臨んでいます。
あなたは、もうすでに“光”を持っている
いま、「何もうまくいかない」と思っているあなたへ。「治らないのではないか」と不安に感じているあなたへ。
もしかすると、必要なのはもっと“がんばること”ではなく、“ゆるすこと”かもしれません。あるいは、“新しくなる”ことではなく、“思い出すこと”かもしれません。
あなたの中にある自然な力は、いつもそこにあります。ただ、少し迷子になっていただけなんです。その力にもう一度つながるお手伝いができたら、わたしはとてもうれしく思います。
からだも、こころも、いのちも──すべては「戻る」ことから、ほんとうの変化がはじまるのですから。
もしこの想いに少しでも共鳴するところがあれば、
ご縁があれば、どこかでお会いできる日を楽しみにしています。
編集者プロフィール

からだ道場【猫の穴】代表の稲田 泰弘
です。
どこに行っても「異常なし」と言われて、それでも体も心も、つらい日々が続いている──
「これ以上、誰に何をどう相談したらいいのか…」そんなふうに感じていませんか?
京都市にある『からだ道場 猫の穴』は、言葉にしづらい不調や、説明のつかないつらさを抱えているあなたに、じっくりと寄り添うためのセラピーサロンです。
医療や他の代替療法では届かなかった場所に、やさしく、でも確かに響いていく──
それが、私の目指す「調律」です。
どこに行っても「異常なし」と言われて、それでも体も心も、つらい日々が続いている──
「これ以上、誰に何をどう相談したらいいのか…」そんなふうに感じていませんか?
京都市にある『からだ道場 猫の穴』は、言葉にしづらい不調や、説明のつかないつらさを抱えているあなたに、じっくりと寄り添うためのセラピーサロンです。
医療や他の代替療法では届かなかった場所に、やさしく、でも確かに響いていく──
それが、私の目指す「調律」です。