
コラムColumn
- 慢性的な疲労感が続くとき ——からだからのサインを見落とさないために
-
- 2026/03/02
- 症状・からだのサイン
-
朝から重い、その感覚
朝起きたとき、もう疲れている。寝たはずなのに、だるさが抜けない。頭は動いてるけど、からだがついてこない。

検査では「異常なし」といわれてる。それでも、確かにしんどいという感覚は、はっきりとある。
ここで言っている「疲労」とは、動いたあとの一時的な疲れではなく、どうにも抜けきらない疲労感のことです。
それはまた、単なる体力不足とは限らないものなのです。
からだが休息に切り替わらない
慢性的な疲労感が続くとき、からだは長く「警戒モード」にいることがあります。
つまり、自律神経がうまく休息側に切り替わらない。
呼吸が浅くなったり、背中やみぞおちのあたりが固くなったりする。
筋肉の緊張がなかなか抜けないこともあります。
猫の穴に来られたクライアントさんで、慢性的な疲労感を抱えている方ほど、背中やみぞおちの緊張が強く残っていることが少なくありません。
これはエネルギーが作られていないのではなく、うまく使えないまま、からだの中で滞っている状態と考えられます。
また、体力が落ちてくると、選べるはずの選択肢も見えにくくなります。
たとえば、人に会うのが億劫になる。何かを決めることが重くなる。「今は無理だ」と感じることが増える。
これらは意志の弱さなんかではなく、からだの中のエネルギーが、うまく動けなくなっているサインなんです。
まずは、気のせいにしない
では、どうすればいいのでしょうか。
大切なのは、この疲労感を「気のせい」にしないこと。
そして、いきなり前向きになろうとしないことです。
まずは、ゆっくりと深呼吸をする。背もたれにからだを預けて脱力する。足の裏が床に触れている感覚を感じてみる。
こんなほんの小さなことからでも、からだは少しずつ整っていこうとします。
からだが整うと、流れが戻る
疲労感がやわらぎはじめると、朝の重さが少し軽くなってくる。
決めることが楽になったり、外に出ることへの抵抗が減ってくる。
実際のセラピーの現場でも、回復はこうした小さな変化から始まることが多いのです。
劇的に大きく変わることばかりではありません。
けれど、からだが整うと、選択の幅は広がってきます。
止まっていた流れが、またじわじわと動きはじめようとするんです。
無理に進まなくていい
慢性的な疲労感は、からだが出しているサインです。
無理を重ねる前に、そのサインに気づくことが大事。
まずは、そのからだの重さやだるさを否定しないことです。
からだが少し軽くなるところから、できることを小さく始めていく。
必要なときは、
ひとりで抱えずに導いてもらいながら整えていく、という選択もありますから。

焦らなくていいんです。からだが整えば、日々の小さな動きは、そのあとから自然と戻ってきます。
体の緊張がほどけ、呼吸が深くなると体は回復へ向かう力を取り戻していきます。
音による調律については、こちらでも書いています。
編集者プロフィール

からだ道場【猫の穴】代表の
稲田 泰弘(いなだ やすひろ)です。
病院では「異常なし」と言われたけれど、
体や心のつらさが続いている。
その状態を、私は軽く扱いません。
からだ道場猫の穴では、
あなたの感覚を尊重します。
その上で、体と心の反応を一緒に確かめていきます。
このコラムは、
日々の現場や対話の中で感じてきたことを
ひとつの視点として綴っています。
▶︎ プロフィール詳細はこちら




