Column

「私がなんとかしなきゃ」と思ってしまうあなたへ ──課題を分けるというやさしさ
  • 2025/12/01
  • こころと感情の整え方
最近、こんなふうに感じることはありませんか。

・相手が不機嫌だと、自分のせいな気がする
・誰かが困っていると、放っておけない
・断ると嫌われる気がする
・頼られると、無理をしてでも応えようとしてしまう

気づけばいつも、
“自分より相手” を優先している。

そしてそのあと、どっと疲れてしまう。

もし思い当たるなら、
あなたは優しさをたくさん持っている人です。

でもその優しさが、
少しだけ自分を苦しくしているのかもしれません。

「私が悪いのかも」と思ってしまう心


人の感情を敏感に感じ取れる人ほど、
無意識のうちにこう考えます。

「私がもっと上手にやればよかった」
「私が気をつければよかった」
「私が我慢すれば丸くおさまる」

そのたびに、
胸の奥に小さな罪悪感が積み重なっていきます。

怒りもある。
悲しさもある。
でもそれを出すより先に、
“自分を責める” ほうを選んでしまう。

そうして感情は、
表に出ることなく内側で固まっていきます。


感情を抱え続けると、からだに出る


感情は、こころだけのものではありません。

責任を抱えすぎると、
呼吸は浅くなります。

緊張が続くと、
肩や首が固まります。

言いたいことを飲み込むと、
胸の奥が重たくなります。

これは弱さではありません。
感情が出口を失ったときの、自然な反応です。

感情を整えるということ


感情を無理に押さえ込むことが目的ではありません。

怒りも、不安も、罪悪感も、
もともとはあなたを守ろうとして生まれた反応です。

その奥にある根っこの思いに触れ、
役目を終えた緊張をそっと解放していく。

すると、表に出ていた感情は、
自然と力を失っていきます。

まずは、

「ああ、私いま抱えすぎてるな」
と気づくこと。

その瞬間、
感情と自分のあいだに
ほんの少し距離が生まれます。

その余白が、
整いはじめる合図です。


誰かの人生を背負わなくていい。
全部をなんとかしなくていい。

あなたには、
あなたの課題がある。

相手には、
相手の課題がある。

その線をやさしく引けたとき、
こころは少し軽くなります。

まずは今日、
ひとつだけ。

「それは本当に、私の課題かな?」
そんなふうに、自分に問いかけてみてください。

感情は、敵ではありません。
あなたの内側からのサインです。

こころとからだは、いつもつながっています。
そして必要なときは、ひとりで抱えなくていい。

編集者プロフィール
からだ道場【猫の穴】代表の
稲田 泰弘(いなだ やすひろ)です。

病院では「異常なし」と言われたけれど、
体や心のつらさが続いている。
その状態を、私は軽く扱いません。

からだ道場猫の穴では、
あなたの感覚を尊重します。
その上で、体と心の反応を一緒に確かめていきます。

このコラムは、
日々の現場や対話の中で感じてきたことを
ひとつの視点として綴っています。

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